1945年、原爆投下直後の長崎で、若き看護学生たちが命を救おうと奔走していた――日本赤十字社の看護師たちによる手記「閃光の影で-原爆被爆者救護請求時看護婦の手記―」を原案に、当時看護学生だった少女たちの視点から原爆投下という悲劇を描いた感動作が誕生した。
手記に記された体験をもとに脚色を加えながら生み出された3人の少女たちを演じるのは、菊池日菜子、小野花梨、川床明日香といったフレッシュな新鋭。医療態勢もままならない状況下で命と向き合い続けた一カ月に及ぶ救護活動の日々が、スクリーンに克明に刻まれる。
また、長崎原爆投下の前日を描いた名作『TOMORROW 明日』の南果歩が、30年以上の時を経て再び長崎の物語に重要な役どころで出演。さらに、本作の原案にも体験を寄せた元看護学生のひとりである山下フジヱさんが特別出演し、その山下さんの思いを長崎出身の被爆者・美輪明宏が語りとして声で体現する。
主題歌は、長崎出身の福山雅治が被爆クスノキを題材にした「クスノキ-閃光の影で-ver.(仮)」のプロデュース・ディレクションを担当。
2025年を生きる私たちと同じように、家族、友人、恋人、ささやかな喜び、そして夢があった。しかし、その“青春”は一瞬で奪われた――。それでも未来を諦めなかった彼女たちの姿は、戦後の現代に生きる私たちに深い問いを投げかけるだろう。
1945年、長崎。看護学生の田中スミ、大野アツ子、岩永ミサヲの3人は、空襲による休校を機に帰郷し、家族や友人との平穏な時間を過ごしていた。しかし、8月9日午前11時2分、原子爆弾が投下され、その日常は一瞬にして崩れ去る。街は廃墟と化し、彼女たちは未熟ながらも看護学生として負傷者の救護に奔走する。救える命よりも多くの命を葬らなければならないという非情な現実の中で、彼女たちは命の尊さ、そして生きる意味を問い続ける――

福山雅治さんコメント

このたび、『長崎―閃光の影で―』主題歌のプロデュース・ディレクションを担当させていただき、大変光栄に思います。
レコーディングでは、スミ、アツ子、ミサヲとしてそれぞれ当時の役を生きた菊池さん、小野さん、川床さんの三人にしか表現できない『生命の叫び』をレコーディングすることができました。
映画の中では多くの命が失われますが、作品の最後に「命の目撃者、魂の代弁者」である彼女たちの歌声が響くことで、「魂は奪われない」というメッセージに昇華されたと感じました。
本作の主題歌「クスノキ ―閃光の影で―ver.(仮)」が情報解禁となりました。 本作を手がけ、長崎出身で被爆3世である松本准平監督からの「祖父たちの被爆体験を受け継ぎ平和を次世代に伝えるべく、映画のエンディングを飾る主題歌を福山さんに担当していただきたい」というオファーに、同県出身のアーティストである福山雅治さんが応え、2014年に発表した自身の楽曲を本作のために新たにアレンジ。
楽曲「クスノキ」は、爆心地から800メートルの地点で被爆し一時は枯死寸前となりながらも、驚異の生命力で今もなおたくましく生き続ける山王神社(長崎市)の“被爆クスノキ”が題材になっています。 今回主題歌に起用される「クスノキ ―閃光の影で―ver. (仮)」は、福山さんがプロデュース・ディレクションを行いレコーディングされた、スミ役の菊池日菜子さん、アツ子役の小野花梨さん、ミサヲ役の川床明日香さんの3人が歌唱したバージョンとなっています。 また、使用楽器も明治期に製造され、第一次及び第二次世界大戦の戦火を乗り越えて生き続けるヴィンテージオルガンを用いて、新たにレコーディングが行われました。
福山さんは2020年より被爆クスノキの存在を未来へつなぐため、総合プロデューサーとして長崎市と共に「クスノキプロジェクト」を立ち上げ、被爆樹木の保全や苗木の育成、平和学習の支援などを通じて、命の逞しさと平和の尊さを伝える活動にも尽力しています。